うなぎの井口

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うなぎの井口

うなぎをもっと楽しむコラム

浜名湖は日本で最初にうなぎの養殖がおこなわれた土地です。それには5つの主な理由があると言われています。今回はその5つの理由を紹介するともに浜名湖のうなぎについて紹介していきたいと思います。

理由その1. うなぎの稚魚が獲れた

浜名湖は昔からうなぎの稚魚(シラスうなぎ)が遡上してきていました。そのため、うなぎが獲れる地域でした。

明治33年に浜名湖で養殖を開始しましたが、当時はまだ黒子と呼ばれる一定程度生育したうなぎを更に育てる形で養殖は行われてきました。戦後(昭和46年)に、シラスうなぎから養殖する方法が確立。うなぎの稚魚が獲れた浜名湖での養殖はピークを迎えていきました。

理由その2. 温暖な気候

背景にアルプス山脈を控え平野部が多い地域です。年間を通じて温暖な気候で雪はほとんど降りません。

昔はビニールハウスによる養殖ではなく、路地池と呼ばれる通常の池にうなぎを放流し養殖していました。路地池での養殖は、外気温に生育が左右されてしまいます。そういった意味では、浜松・浜名湖地域は一年中温度変化が少なく温暖な気候で、うなぎの養殖には最適な気候でした。

うなぎの養殖をする場合、水温は20度以下にならない方が良いです。現在はハウスで30℃くらいに保たれています。路地池のうなぎの特徴はハウス養殖に比べて生育期間が長いため、うなぎ自体が長いのが特徴です。

1年を通じての路地池での養殖は、昭和の後半まで行われていましたが、今は浜名湖では一切行われていません。全国でもないのではないかと思います。一年を通じて日本より温暖な気候のため、台湾や中国ではまだ行われています。

理由その3. 豊富な水

アルプス山脈があり一級河川の天竜川があるため豊富な水源が浜名湖周辺にはあります。浜松は製造業の街のイメージがあるが実は野菜の生産出荷額も全国屈指の地域です。浜松は南アルプスの伏流水が地下を脈々と伝え、その地下水に支えられ、養殖が盛んになりました。

うなぎの養殖には多くの水を必要とします。地下から汲み上げた水を池に入れ、水を循環させてきれいにすることでうなぎの病気をおさえ、成長を促進します。

うなぎはとてもきれい好きです。濁った水や汚い水で育てるとうなぎに臭みが出てしまったり、病気になりやすくなってしまいます。水源が豊富じゃない地域では、今でも養鰻水道と呼ばれる専門の水道から使った分の水道代を支払うことになっています。養鰻水道は工業用水と同様に気候に応じて水温が変化しやすい特徴があります。こうした地域の養殖は水を変えるとその分コスト高になってしまうため、できるだけ水を変えず、かつ短期間で育成することで水温の変化によるリスクを避けるようにしています。

理由その4. エサに使用する蚕の生産地(養蚕地)

浜松は織物の生産地として発展してきました。そのため、養蚕も盛んでした。うなぎに使うエサの蚕が豊富にあったことから、この地域での養殖が発展した一因と言われています。

蚕はシルクの原料です。そのため戦後は蚕は「お蚕様」と呼ばれるくらい貴重で、その織物の生産で浜松は発展してきました。うなぎの養殖がはじまった明治の初期は、蚕にさほど価値がありませんでした。そのため、飼料となる養蚕の蛹の供給を受けられたようです。

理由その5. 大都市圏に比較的近い立地

養殖したうなぎを販売するうなぎ問屋に持って行くために、貨物列車や船を使って運んでいました。各地に運ぶためには、貨物列車の駅に近く、かつ海の近くの地域が重宝されました。

浜松は東京や名古屋、大阪といった大都市圏からの交通の便が良く、養殖したうなぎを、産地から消費地に運びやすいという立地面でのメリットがありました。

この記事は私が書きました

井口 恵丞(いぐち けいすけ)

有限会社うなぎの井口 代表取締役

昭和63年創業、うなぎの白焼のみを販売する「井口うなぎ白焼直売」の2代目として平成8年に後を継ぐ。
以降、法人化、蒲焼やうなぎ関連商品の開発と販売、ビジネスコンテストや店舗の改善で受賞。国際的な味覚の審査機関、「国際味覚審査機構」でうなぎで初めて「優秀味覚賞」を受賞。
毎日うなぎをさばき、うなぎの良し悪しを確認することがを日課としています。

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