うなぎの井口

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9:30~18:30
定休日:火曜日

うなぎの井口

うなぎをもっと楽しむコラム

当店『うなぎの井口は』は、浜名湖名産のうなぎの白焼きの専門店です。そんな当店、これまでうなぎに関することをコラムでご紹介してきましたが、白焼きについて詳しく掘り下げた記事を公開していませんでした。

灯台下暗しとはこのことで、当店にとってうなぎの白焼きはあまりにも当たり前すぎて取り扱っていませんでした。しかし、最近うなぎの白焼きの人気が高まっているのか、白焼きやその食べ方について当店に多くのご質問が寄せられています。そこで今回は、この道35年、白焼きのプロであるうなぎの井口店主の井口恵丞が、うなぎの白焼きと美味しい食べ方について解説します。

うなぎの白焼きとは

うなぎの白焼きとは蒲焼のタレがついていないうなぎの素焼きのことを白焼きといいます。一般的に食材に調味料などをつけず直火で焼くこの調理方法は、味が淡白でうなぎの素材そのものと焼き方が重要になってきます。食材に含まれる脂を落としたり、旨みを閉じ込めたり、風味や焼き目をつけるために行われます。

うなぎの調理方法は、この白焼きとタレをつけて焼き上げる蒲焼きが一般的ですが、ほかにも酒焼き(さかやき)という調理方法もあります。酒焼きは白焼きにお酒を塗って焼く調理方法で、身を柔らかくするのと同時に臭みをとる調理方法です。こだわりの飲食店ではうなぎの酒焼きとして提供されています。

また、ご家庭では白焼きを購入した後、日本酒をふりかけて柔らかくしてから蒲焼きに調理する方もいらっしゃいます。白焼きの身の脂は時間とともに酸化し、味が劣化します。お酒をふることで酸化した脂を落とす効果と、臭みをとることができます。品質の劣化は蒲焼きよりも白焼きの方が早いです。蒲焼きはうなぎをタレでコーティングするため身が外気にふれにくく、白焼きに比べ劣化が遅くなります。一方、白焼きはたれがついていないため外気に触れやすく劣化しやすいため、提供する場合には鮮度が重要になってきます。

うなぎの井口の焼きたて商品の場合、発送日当日の朝に焼き上げた白焼きをお届けします。これにより、配送商品ながら、最も鮮度を保った状態でお客様にお届けが可能です。当店の焼きたて商品をご注文の場合、必ず到着日当日にお受け取りいただき、できるだけ早くお召し上がりください。

うなぎの白焼きと蒲焼きの違い

前述のようにうなぎの白焼きはうなぎの素焼きです。調味料などをつけずにそのまま焼き上げたものがうなぎの白焼きです。一方、白焼きのうなぎにたれをつけて焼き上げたものがうなぎの蒲焼きです。うなぎ屋さんなどで一般的に食べられているため、皆さんにもお馴染みなのがうなぎの蒲焼きだと思います。

素材の味も大切ではありますが、たれの味とたれをつけた時の焼き方で味が決まります。昔からうなぎの蒲焼きの調理技術は「串打ち三年、裂き八年、焼き一生」と言われ、最適な蒲焼の技術の取得は難しく、長い修業によって得られるものとされています。それだけ職人の腕が蒲焼きの美味しさを左右します。もちろん、白焼きの状態で素材の美味しさを引き出したのち、蒲焼き調理する方がより美味しくお召上がりになれます。

うなぎの白焼き文化の広まり

うなぎの養殖発祥の地と言われる『浜名湖』。2022年には27件と減ってしまいましたが、1977年には約430件の養鰻(ようまん)業者が浜名湖にはありました。うなぎの養殖が隆盛だったころ、養殖業者がうなぎの白焼きをおすそわけしていました。うなぎは生でおすそわけをしても、もらった側が捌けず、養殖業者ですから蒲焼きの技術を持ち合わせていないため、おすそわけとして白焼きが重宝されました。また、うなぎは蒲焼きが最終加工品で白焼きは半加工品という判断のもと、取り扱いに保健所の許可が不要だったことも大きな要因のひとつだと考えられます。

うなぎを捌く技術は特殊な技術のため、うなぎを扱う飲食店などはうなぎの白焼きを仕入れ、個性を出すために独自のタレと焼き方で蒲焼きとして提供しています。元々浜名湖では、おすそわけ文化として広まったうなぎの白焼きですが、現在ではうなぎの白焼きという商品として多く流通し、浜松地域には当店のようなうなぎの白焼きの持ち帰り専門店も存在します。

うなぎの白焼きに含まれる塩分や糖質はどのくらいなの?

うなぎの白焼きは前述のとおりうなぎの素焼きです。そのため、焼き上げる際には一切塩分はふりません。ですから、うなぎの白焼き(100g)に含まれる食塩相当量は0.3gととても少なく、塩分を制限している方にとって非常に良い食材となっています。

また、うなぎの白焼き(100g)に含まれる糖質(炭水化物)は0.1gとこれまた非常に少なく、糖質制限をされている方にも非常に良い食材です。蒲焼きにしても食塩相当量1.3g、糖質(炭水化物)は3.1gという数値。より健康を気にされる方には、うなぎの食べ方としては白焼きがおすすめです。

うなぎの白焼きのプロがオススメする白焼きの食べ方ベスト5

【第1位】わさび醤油

素材の美味しさを味わうお刺身と同様、わさび醤油との相性はピッタリです。うなぎの白焼きを提供する飲食店さんでもほとんどの場合、わさび醤油がメインで提供されます。塩分を気にされる方は、わさび醤油ではなくわさびだけでご賞味ください。十分にうなぎの白焼きのアクセントとして美味しくお召し上がりいただけるでしょう。

【第2位】お塩

天ぷらも塩をつけると素材の美味しさが引き出されるように、白焼も素材の美味しさが引き出され、うなぎの風味を味わうことができます。当店の本格白焼セットでは、沖縄の塩『ぬちまーす』をセットにお届けしております。ぬちまーすは、一般の食塩よりも塩分が25%も低く、ミネラルが21種類含まれています。宮城島の太平洋側の海水のみを原料としており、輸入塩、固結防止剤などの添加物は一切使用しておりません。

【第3位】柚子胡椒

こちらもわさび醤油と同様、柚子そのものの味は強く、醤油との相性がいいので、醤油に混ぜて召し上がっていただくと美味しく召し上がれます。また、柚子胡椒を白焼の上にのせて、「白ワインと一緒に」というのも、食事を楽しむ通な召し上がり方です。
うなぎとワインの意外な相性!蒲焼にも白焼にも合うワインの魅力

【第4位】ぽん酢醤油

ぽん酢につけても美味しく召し上がれますが、実は、ぽん酢醤油の方が美味しく召し上がれます。ぽん酢は柑橘系の風味を生かすようにつくってあり、また醤油も味が強いため、白焼の素材が分かりにくくなってしまいます。ぽん酢に醤油を合わせることで、ポン酢の柑橘系の風味が薄まり、程よく白焼の美味しさを引き出します。

【第5位】しょうが醤油

しょうが醤油につけてもおいしく召し上がる事が出来ます。しょうがは、臭みをとる薬味として有名ですが、うなぎの脂に対してもさっぱりと食べることができます。うなぎは好きだけど脂っこいのが…という方は、ぜひしょうが醤油でお召し上がりください。きっとさっぱりと美味しくいただくことができると思います。

このほかにも蒲焼きのタレをつけてご自身で蒲焼にして楽しむのも良いでしょう。当店は、白焼きがメインですので、白焼きの時点で素材の美味しさを引き出すまで焼きあげております。蒲焼きに調理した時にも、この素材の美味しさがあるからこそ蒲焼もさらに美味しくなります。

まとめ

今回紹介した蒲焼のたれ以外はご家庭にあるものですので、一度試してみてください。本格的に白焼に合う調味料をお求めの方は、当店で厳選した調味料とセットになった白焼セットをご用意しています。

また、うなぎの井口の白焼きは賞味期限が長い真空パック商品もご用意しております。当店では、真空パックの仕方にもこだわっています。通常の白焼きの真空パックは、うなぎと真空の袋が密着しています。白焼きを真空パックにする時、うなぎの表面に脂が浮き出てしまい、そのまま真空にするとうなぎを脂でコーティングした状態になってしまいます。前述のようにうなぎの脂の酸化ははやく、品質の劣化につながりやすいため、通常の白焼きの真空パックは品質が劣化しやすいのです。
一方、当店のうなぎの白焼きの真空パックは、うなぎと真空の袋が密着していないオリジナルの『ふんわり真空』です。3年の月日を要し、この技術の開発を行いました。そのため、当店の白焼きは真空パックでも鮮度が高くふっくらとお召し上がりいただけます。

当店にご来店いただくか、到着日にすぐにお召し上がりいただけるなら鮮度のより高い焼きたての商品を。先様にお届け等で受取日が定かではない場合等は、冷蔵で20日間の賞味期限のあるふっくら真空の商品をご利用ください。

 

この記事は私が書きました

井口 恵丞(いぐち けいすけ)

有限会社うなぎの井口 代表取締役

昭和63年創業、うなぎの白焼のみを販売する「井口うなぎ白焼直売」の2代目として平成8年に後を継ぐ。
以降、法人化、蒲焼やうなぎ関連商品の開発と販売、ビジネスコンテストや店舗の改善で受賞。国際的な味覚の審査機関、「国際味覚審査機構」でうなぎで初めて「優秀味覚賞」を受賞。
毎日うなぎをさばき、うなぎの良し悪しを確認することがを日課としています。

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